現在の職場:摂食障害専門病院
今回は今働いている職場について少し書こうかと思います。
心療内科で働いていることについては前回のブログで書きましたが
実は、この病院は摂食障害の専門病院なのです。
以前、人智学系の病院で働いていたときも、摂食障害の女の子たちと接することが多かったので
摂食障害の治療において何が重要なのか、ということはすでに大体知っていたつもりでした。
私が今まで知らなかった、そしてこの病院で初めて接することになった摂食障害に「むちゃ食い障害/過食性障害」というものがあります。
この障害を持った患者さんたちは、過食を行った後に嘔吐、過度なスポーツなどの不適切な代償行動は行いません。
なので過食症患者とは違って、太っている人が多いです。
一概には言えないかもしれないですが
拒食症患者は基本的に、美しいものが好きな完璧主義者の人が多いです。
完璧主義であるがゆえに、なかなか作品制作を始められない、作品に満足できないことはありますが
アートセラピーに対して肯定的な態度の人が多い印象です。
むちゃ食い障害の患者は自分に自信がなく、美しいものとは縁が遠いと思っていることが多いので
そういった彼らが、どうしたらアートセラピーへのとっかかりを見つけられるのか
どういった課題が彼らにあっているのか、特に仕事を始めたばかりの頃は考えを巡らせていました。
少しづつわかってきたのは、彼らは心が飢えているのにも関わらず、食べることでその飢えを癒そうとしているのです。
上手に描けなくてもいい、自分の感覚に注意深く向き合って制作することが重要だ、ということを強調し
なるべくシンプルな、例えば手で絵を描いたりするような、触覚を刺激する課題を出すと
彼らは子供のように楽しみはじめます。
まるで子供の時に得られなかったものを取り戻そうとするかのように。
制作を楽しむことによって心の隙間を埋めることが出来ると気づいた患者さんたちは
とても意欲的に、アートセラピーに参加してくれます。
参加者によってグループの雰囲気はいつも変ってしまうものですが
初めは難しいと思っていた、むちゃ食い障害の患者さんグループが
最近はとても真剣にアートセラピーに取り組んでくれているところを見ると
わたしのほうも、仕事へのモチベーションが高まるのです。
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