田舎暮らしと小さなコンサート
わたしは北ドイツの小さな田舎でアートセラピストとして働いています。
田舎暮らしのいいところは、空気が澄んでいること、美しい自然があること。
(写真は近所のHeide、ヒース荒地)
けれども、関東出身で、中学から東京の学校に通っていた私にとって
静かな田舎暮らしは物足りないことも多いです。
特に美術館を訪れたり、音楽を聴きに行ったりなど、カルチャーと触れ合える機会が少なすぎて、物足りない...。
そんな中、同僚の作業療法士が自宅でコンサートを行うということで、そのコンサートを聞きに行きました。
彼女だけでなく、彼女のご主人も音楽が趣味のようで
二人は自宅の地下室を小さなライブハウスのように改装して
そこでもう10年近く、コンサートなどのイベントを開催しているそうです。
小さな息子がいる彼らは、今では一年に一度しかそういったイベントを主催できないみたいですが
彼らの夢が詰まった地下室は、愛に満ちたとても暖かい空間でした。
90人近いゲストが集まり、まず初めに同僚とご主人が演奏したのち、
彼らの友人たちもいろいろな演奏を聞かせてくれました。
どの人もオリジナルの曲を演奏していて、日常生活のことを歌ったり
田舎に住んでいることを面白おかしく歌ったような曲もいくつかありました。
なんだかこういう生き方も、とても素敵だなと思えました。
生まれ育った町で堅実に生きつつ、自分たちの夢を実現できる小さな空間を守っていく。
東京ではきっと、あまり巡り合えないような
小さな、控えめな、でもたくさんの人の夢が詰まっているコンサート会場。
特別なコンサートを鑑賞することが出来て、心が温まった夜でした。
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