たまには感動させてくれ。

やっぱり心療内科で働いているからには、
あまり感情面で患者さんたちに影響され過ぎない、
ある程度心の距離感を取れることが大事だとは思うのです。

でも、今日、とある患者さんが長いこと準備をしていた展示を完成させて
とても内気な彼女が、勇気を出して彼女の臨床心理士を展示に招待し
臨床心理士、わたし、彼女の3人で展示を見ていた時に、じんわりと
ああ、彼女に展示をやるように勧めてよかったなぁと思いました。

臨床心理士の人が本当に素晴らしい人で
一枚一枚の絵をじっくりと味わうように鑑賞して、丁寧にコメントして
口数の少ない患者さんが、そんな場面に心を動かされているのが感じ取れて
本当によかったなぁ、と。

わたしが普段、相手にしている患者さんたちは、ほぼみんな、
とても難しい運命を背負っていて
そこから抜け出そうともがき苦しんでいて、でも上手く行かなくって
わたしのほうも、自分には何もできないと、無力感を感じることもしょっちゅうある。
治療経過が上手く行ってると喜んでいても、また状況が一転することもある。

でもそれでも、今日だけはそんなことは忘れて素直に喜ばせてくれ、と
彼女の輝く笑顔を見ながら思ったのでした。



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